釣りは、自然を満喫できる人気のアウトドアアクティビティです。
しかし、天候の変化には常に注意が必要です。
特に、雷は釣り人にとって非常に危険!
釣り中の落雷事故の事例、事故のリスク、雷発生メカニズム、そして命を守るための予防策と対策について解説します。
目次
釣り中の落雷事故の事例
過去の釣り中の落雷事故の事例です。
2020年
7月 長野県 伊那市 重傷
川で釣りをしていたが、雷雨となり、岸に避難。
その後、雷が岸に落ち、感電。
9月 東京都 八王子市 死亡
山間部で釣りをしていたが、雷雨となり、木の下に避難。
その後、雷が木に落ち、感電。
2021年
7月 宮城県 仙台市 重傷
川で釣りをしていたが、雷雨となり、岸に避難。
その後、雷が岸に落ち、感電。
8月 静岡県 浜松市 死亡
海岸で釣りをしていたが、雷雨となり、近くの建物に避難。
その後、建物に落雷。
2022年
6月 福島県 耶麻郡 死亡
川で釣りをしていたが、雷雨となり、岸に避難。
その後、雷が岸に落ち、感電。
9月 北海道 登別市 軽傷
海岸で釣りをしていたが、雷雨となり、近くの建物に避難。
その後、建物に落雷。
2023年
8月 三重県 伊勢湾 重傷
磯場で釣りをしていたが、雷雨となり、海に飛び込み。
その後、雷が海に落ち、感電。
2024年
6月 長野県 蓼科山 死亡
登山道で釣りをしていたが、雷雨となり、木の下に避難。
その後、雷が木に落ち、感電。
7月 東京都北区 荒川 死亡
雷鳴が聞こえていたが、釣りを続けていた。
釣りと落雷事故の関連性
雷は、年間約10万回以上日本国内で発生し、
そのうち約100回が人命を奪うと言われています。
釣りは、開けた場所に長時間滞在することが多いため雷事故のリスクが特に高くなります。
過去の落雷事故事例からも雷の中で釣りが危険であるかわかります。
雷事故が起こるメカニズム
雷は、積乱雲の中で発生する静電気です。
積乱雲の中で上昇気流によって上昇した水滴や氷晶がぶつかり合い電荷が蓄積されます。
そして、電荷の量が限界に達すると、雷として放電されるのです。
釣り中に落雷事故に合わないために
雷が発生しそうな場合は、釣りを中止することが最善の対策です。
以下のことを意識して行動してください。
1.雷鳴が聞こえたら、すぐに釣りを中止
雷鳴が聞こえたら、雷雲が近くにあることを意味します。
雷鳴が聞こえたら、15秒以内に雷が落ちる可能性があると言われていますので、
すぐに避難する必要があります。
2.高台や孤立した木、建物などから離れる
雷は、高い場所に落ちやすい性質があるため、
高台や孤立した木、建物などは避けてください。
3.水辺から離れる
水は電気を通しやすい性質があるため、
雷が水辺に落ちると感電被害が拡大する可能性があります。
4.釣り竿を倒す
釣り竿は、カーボンなどの導電性の高い素材で作られていることが多く、
雷が落ちた際に感電するリスクが高くなります。
雷が発生する可能性がある場合は、釣り竿を倒しておきましょう。
5.複数人で釣りをする場合は、間隔を取る
落雷した場合は、周辺にも感電のするリスクがあります。
複数人で釣りをする場合は、間隔を十分に取るようにしましょう。
釣り中に雷事故を避けるための予防策と対策
1.天気予報を確認する
釣りに行く前に、天気予報を確認し、雷雨の可能性があるかを確認しましょう。
2.雷雲の接近に注意する
釣りに夢中になると回りのこりが見えなくなり雷雲の接近に気が付くのが遅れることがあります。
こまめに空を見て積乱雲が無いか、黒い雲が近づいていないかを確認してください。
スマートフォンをお持ちの場合は、気象庁の「ナウキャスト(雨雲の動き・雷・竜巻)」で、1時間先の気象を確認できるのでご利用してはいかかでしょうか。
3.適切な服装をする
雷雨に合いそうな場合は、濡れてもすぐに乾く素材の服装を着用する。
具体的には、以下の点に注意する必要があります。
①化繊素材の衣服を着用する
綿や麻などの天然素材の衣服は、濡れると乾きにくく、体温を奪いやすいため、雷雨の中では着用を避けましょう。
②レインウェアを用意する
防水性と透湿性に優れたレインウェアを用意しましょう。
③帽子を着用する
釣をする際は。常に帽子を着用しましょう。
落雷以外にも熱中症や不慮の事故から頭部を保護してくれます。
4.安全な場所へ避難する
雷鳴が聞こえたら、周囲を確認して安全な場所へ避難しましょう。
安全な場所に移動するさいには釣り竿をしまうようにしてください。
釣り竿は、導電性の高い素材で作られているため、雷が落ちた際に感電するリスクが高くなります。
安全な場所としては、以下の場所が挙げられます。
①頑丈な建物
鉄筋コンクリート造りの建物など、頑丈な建物であれば、雷から身を守ることができます。
②車の中
車の中は、金属製の車体によって雷から身を守ることができます。
ただし、オープンカーやコンバーチブルは避けてください。
③トンネル・地下
トンネル・地下室など、地下であれば雷から身を守ることができます。
釣り中の落雷事故 万が一に備えた対策
雷に打たれた場合は、すぐに応急処置を行う必要があります。
大切なのはパニックに陥らず、落ち着いて行動することが重要です。
1.具体的な手順
①安全を確保する
まず、自身の安全を確保することが重要です。
周囲に危険がないことを確認してから被害者に近づきましょう。
②意識と呼吸を確認する
被害者の意識と呼吸を確認します。
意識がない場合は、首の骨に注意しながら頭をそらして気道を確保します。
呼吸がない場合は、人工呼吸を行います。
③脈拍を確認する
首の動脈で脈拍を確認します。
脈拍が感じられない場合は、心肺蘇生術(CPR)を行います。
④AEDを使う
近くにAED(自動体外式除細動器)がある場合は、すぐに使用します。
⑤医療機関を受診する
意識や呼吸があっても、必ず医療機関を受診します。
雷に打たれた場合は、たとえ軽症であっても後遺症が残る可能性があるためです。
2.応急処置を学ぶ方法
①講習会を受講する
日本赤十字社や消防署などで、応急処置の講習会が開催されています。
講習会を受講することで、正しい応急処置の方法を学ぶことができます。
②書籍やインターネットで学ぶ
応急処置に関する書籍やウェブサイトも多くあります。
書籍やウェブサイトで学ぶことで、基本的な知識を身につけることができます。
③携帯電話を持ち歩く
雷に打たれた場合は、すぐに助けを呼ぶ必要があります。
そのため、携帯電話を必ず持ち歩くようにしましょう。
3.その他
①家族や友人にも応急処置を伝えておく
家族や友人にも応急処置の方法を伝えておくことで、いざという時に役に立ちます。
②常備薬を持ち歩く
心臓病や糖尿病などの持病がある場合は、常備薬を持ち歩くようにしましょう。
まとめ
釣り中の雷事故は、毎年発生しています。
適切な知識と対策があれば防ぐことができます。
この記事で紹介した予防策と対策を参考に、安全に釣りを楽しんでください。
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